医師生活 外来診療

薬を飲んでいる人に知ってほしいこと-何の薬を飲んでいますか?

病院でお薬を処方されて飲んでいらっしゃる方へ。

今回は外来でよくある経験を通じて、みなさんに知っておいてほしいこと

についてお話します。

 

本記事の内容

  • 何のお薬を飲んでいますか?と聞かれたとき
  • 自分の飲んでいる薬を把握して欲しい理由
  • 医師が反省すべきこと
  • まとめ: 御自分や御家族の方の薬に関心を持ってみませんか。

 

 

何のお薬を飲んでいますか?と聞かれたとき

患者さんが外来に初めて受診される時 (初診時) こういったやりとりがよくあります。

辛い症状についてはわかりました。 それでは過去の御病気や今飲んでいるお薬について教えてください。 今何のお薬を飲んでいますか?
すいません、わかりません。
お薬手帳はありますか?
持ってくるのを忘れました。
どんな種類のお薬かはわかりますか?
それもわかりません。
そうですか、では次回お薬手帳を持ってきてくださいね。

ということがわりあいよくあります。

 

今回の記事で少しでも御自身のお薬に関心をもって頂けたら幸いです。

はじめは“何の薬を何種類飲んでいるか” を覚えてはいかがでしょうか。

例えば 血圧の薬が1種類、血液さらさらが1種類 でも十分な情報です。

なぜご自身のお薬を把握しておく必要があるのか、ご説明します。

 

 

自分の飲んでいる薬を把握して欲しい理由

ここでは医師の視点からみた3つのポイント、患者さん視点からみた2つのポイントをご説明します。

 

医師の視点からみた3つのポイント

薬が原因となっている症状の可能性がある

薬は病気の治療や症状を緩和するために処方されます。

しかしながらその薬が原因となって別の病気や症状を引き起こしてしまうことがあります。

例: 痛み止めの長期連用による頭痛、糖尿病治療薬による低血糖発作など。

 

医師は患者さんの話を聞いて(問診)、身体の状態を調べ(診察)、疑いのある病気を推定します。

それを確定させるために必要な検査を組み立てています。

その際に薬の情報があれば、病気の推定がしやすくなり必要な検査が減らせることもあるのです。

 

検査などをするのに妨げとなることがある

検査の前に何日間この薬は飲んではいけません、と言われたことはありませんか。

このように特定の薬は特定の検査の何日前から止めておきましょうという決まりがあります。

脳神経外科領域で最も多いのは ヨード系造影剤を使ったCT検査とビグアナイド系糖尿病薬(メトホルミン塩酸塩)の組み合わせでしょうか。

お薬をやめないまま検査をしてしまうと”乳酸アシドーシス“ という病気を引き起こす危険性があるので、休薬期間を設けることとなっています。

多くの病院でマニュアルが制定されていて、このような薬を飲んだまま検査をしてしまうことを防ぐ取り組みがなされています。

御本人がこの薬を飲んでいますと伝えてくださる、もしくはお薬手帳をきちんとつけて持ってきてくだされば、これらの問題は回避されます。

このようなケースもありますので、御自身が飲んでいらっしゃる薬を把握しておくことはとても大切です。

 

薬を処方する際に困ることも

御病気の診断がついて、お薬を処方する段階でも今飲んでいる薬の情報は大切です。

同じ種類の薬をすでに飲んでいないか、飲み合わせは問題ないかなどを考えて医師は処方薬を選択しています。

 

 

患者さん視点から

薬を知れば病気のことも知りたくなるかも

例えばいまあなたが飲んでいる血圧の薬は、 “高血圧”のために処方されていることがほとんどだと思います。

ではなぜ高血圧は治療しなければいけないのか?

ほっておいたらどうなるのか? 

飲んでいる薬のことをしったら次はこういったことが知りたくなるかもしれません。

御自身の病気や薬のことは難しかったり、中には知りたくなかったりする方もいるかもしれません。

特に現在は情報が溢れていますので、どの情報を信じればよいかわからないこともあるかもしれません。

そんなときに一番話を聞くべきなのは “主治医の先生”、“かかりつけ薬剤師さん”だと思います。

 

服薬アドヒアランス(内服遵守)が高まるかも

薬のことがわかるようになったら、お薬をきちんと飲もうという気持ちもより高まるかもしれません。

服薬アドヒアランスは内服遵守とも言われます。

当然のことですが、薬は処方されても自宅のタンスにしまいこまれてしまうと効果は発揮できません。

処方通りに内服して初めて効果があります。

医師は処方された薬は処方箋通りに内服されているものと思って治療計画を立てていますから、きちんとお薬を飲むことは極めて重要です。

“薬のことはよくわからない” から “薬のことはなんとなくわかった”になっていただけると医師の立場としても嬉しく思います。 

 

 

医師が反省すべきこと

薬の説明は医師からあまりしてもらったことがないという方もいらっしゃるかもしれません。

現在は医師-薬剤師の分業化が進められており、薬局の薬剤師さんから薬の説明をしていただく機会が増えています。

だからと言って、薬の処方ができるのは医師だけですから説明する必要があるのは当然です。

”どの病気・症状のための薬か”、”期待される効果“、”注意すべき副作用”などについての説明はできるだけ行うように心がけています。

しかし外来はとても忙しく、ゆっくりと時間をとってお話できないこともあります。

薬剤師さんに担って頂いている役割はとても大きく、日々感謝しています。

 

 

まとめ: 御自分の薬に関心を持ってみませんか。

いかがだったでしょうか。外来診療での出来事から御自身の薬に関心を持っていただく重要性についてお話しました。

特に医師は多忙のため説明不足になりがちと感じますが、今は薬剤師さんとの連携により説明していただく機会も増えてきています。

是非、御自身の薬がどんなものなのか、関心を持ってみてはいかがでしょうか。

今後も情報を発信していきます。

  • この記事を書いた人

nouga

医師【専門分野】脳神経外科 ▶︎ 30代 ● 医師歴10年x投資歴8年x株式投資3年の経験です。どんなことでも調べることが大好きで、良いと思ったことをシェアしていきます。適切なリスク管理で生活を豊かにしていきましょう。

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