この記事はNouga が読んでためになったと感じた本をご紹介します。
第七冊目は対話力について学ぶことのできる本です
タイトル:人生も仕事も変える『対話力』
著者: 小林正弥
出版社:講談社+α新書
きっかけ
こちらはタイトルから図書館で予約して借りた本になります。
著者の小林正弥さんは政治哲学・公共哲学・比較政治を御専門とされ、2010年に放送されたNHK教育テレビ『ハーバード白熱教室』の解説を務められた方です。日本での『対話型講義』の専門家としてご活躍されています。
内容
『対話』と『会話』の違いはなんでしょうか。なんとなくは理解できても言葉で説明することは難しいです。本書は実務的および哲学的な観点から対話の重要性や対話を円滑に行うためのメソッドまで大変読みやすく書かれており、多くのことを学ぶことができます。
医師の仕事の中で、患者さんとの対話は大きな比重を占めていますが、そのために必要な教育を受ける機会は決して多くありません。医師としても非常にためになる内容でしたので、ご紹介します。
自分に刺さった点
第1章 対話とは何かーあなたは『考える』人間か、ただ反応するマウスか
相手と向かいあうのが対話
なぜ向かいあうことが重要かと言うと、自分と、自分とは異なる他者とが相対して、その相手との関係を通じて双方が理解や思考を深めるという、対話の中心的な要素がここに存在するからです。ー中略ー
本気で対話するときは、腰を落ち着かせ、相手の顔や目を正面から見て、意識をしっかりと相手に向けて応対することが必要なのです。
人生も仕事も変える『対話力』 著者: 小林正弥 出版社: 講談社+α新書より引用
第4章 対話のメソッド2ー『話す力』と『振り返る力』
応答力をオンにして話す
第三に、チューニングとも関係しますが、相手の反応を見ながら応答的に話すことが大事です。
前章で述べたように、応答力は対話において非常に重要ですが、話すときにもこれを心がける必要があります。
人生も仕事も変える『対話力』 著者: 小林正弥 出版社: 講談社+α新書より引用
本から得られたモノ
相手の目を見て話すことは、医師として非常に重要です。
目を合わせず、パソコンを見ながら話をしてくる医師のことをどれほど信用できるでしょうか。
すでに信頼関係が確立しているならまだしも、初診時にこのような態度をとるべきでは決してありません。
また話を聞いている患者さんは、内容を理解できているのか、それとも不安を感じているのかなどは、表情や身体の動きなどから推察することができます。
このような非言語的コミュニケーションを活用するためにも相手を見て話をすることの重要性がわかります。
また患者さんの反応を確認しながら、適切な言葉を選び対話を通じて、病状や病態、今後の治療方針などについて伝えていくと、スムーズに対話ができることが多いです。
医師と患者さんの対話は治療行為の一つとすら考えられますので、この点を疎かにしてはならないと感じました。
医学的知識や技術を学ぶことと同様に、対話についても学んでいくことは、人と人との関係で仕事を行う医師にとって今後ますます必要とされていくでしょう。
今後もできるだけ有用な情報を発信していきます。
継続は力なり を実践していきます。