みなさんが普段病院に行かれるのは平日の日中の時間がほとんどだと思います。
夜の病院にいくのは入院したときか、救急外来に受診するときくらいでしょうか。
夜の病院どんなことが行われているかご存知ない方も多いと思い、記事にしました。
今回は夜の病院ではどのような体制で医療が回っているかをご紹介したいと思います。
本記事の内容
想定する病院
夜の病院のお仕事内容
夜間に患者さんが入院となった場合
想定する病院
今回はNouga の経験から架空の病院を設定してご説明したいと思います。
厚生労働省の病床規模別病院数割合によれば約6割ほどの病院が300床未満です。
今回は200床の一般急性期病院を想定します。
(結構適当な想定なので、齟齬があってもご容赦ください)
病床数:210床 (42床×5病棟)
病床使用率: 90% (入院患者数 185名)
夜間当直医師: 内科系 1名、外科系 1名.
夜間勤務看護スタッフ: 各病棟3名 救急外来 2名
夜間受診数 平均 20名 救急車 平均5台
というA病院を舞台にしてみたいと思います。
夜の病院のお仕事内容
夜の病院では2つの仕事がメインです。
入院患者さんを守る
救急外来を守る
入院患者さんを守る
185名もの入院患者さんを夜通し医師が見ることは不可能です。
入院患者さんを常に見てくれているのは看護師さんなどの看護スタッフです。
医師が夜間に入院患者さんを診察するのは、看護スタッフから依頼を受けて診察を行う場合が多いです。
(手術後や日中から状態が不安定な患者さんなどはその限りではありません。)
いわゆる『病棟が落ち着いている』場合などは、医師は夜間に入院患者さんを診察しない場合もあるでしょう。
では夜間に当直医師は何をしているのでしょうか?
救急外来を守る
当直医は法律的には『電話番などの軽作業』しかやらないということになっていますが、実際には救急外来を守るという夜勤を行なっていることが多いのは周知の事実です。
A病院では夜間平均20名の受診があり、それを2名の医師が担当していますので、単純計算で一人あたり10名程度の患者さんを診察する必要があります。
受診した患者さんの症状や病態にもよって実際に働いている時間は変わりますが、おおよそ1.2時間程度の仮眠がとれるかなといったところでしょう。
厚生労働省の資料によれば、約75%の勤務医は当直の翌日にも通常通りの勤務があります。
いわゆる医師の『36時間勤務』などはこのようにして発生します。
ここまで述べたように当直医は基本的には救急外来を中心にして守りつつ、入院患者さんの変化に対応するという業務を担っています。
看護スタッフも日中に比べて少ない人数で看護を行なっておりますので、あまり余裕はありません。
しかし、夜間救急外来を開いている病院では、患者さんが緊急入院になる場合も当然ありますね。
この際の実際をシミュレーションしてみましょう。
夜間に患者さんが入院となった場合
夜間当直医師が、救急外来で患者さんを診察し、入院加療が必要だと判断します。
そして患者さんおよびそのご家族が入院に同意された場合に入院が決定されます。
当直医が救急外来の看護スタッフに入院が必要なことを伝えると、病棟看護スタッフに連絡がいき、入院する病棟・部屋が決定されます。
入院が決定した病棟では看護スタッフの1-2名が入院時の対応にあたります。
患者さんの看護はもちろんのこと、ご家族から生活状況を聞いたり、入院ルールの説明を行なったりするなど、夜間入院時にやらなければならない業務は多いです。
担当スタッフがこの対応に当たっている間は、元々の入院患者さんへの対応は少ない人数で行わなければなりません。
夜間に複数人の入院が入ることもあり、その際は看護スタッフの皆さんにとっても多忙を極める夜勤となります。
このように夜間は少ない人員をなんとかやりくりしながら、とにかくみんなが無事に朝をむかえられるように各人が必死に働いています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
夜の時間の病院は
ポイント
入院患者さんを守る
救急外来を守る
という2点に注力しているということを少し知っていただけると嬉しいです。