この記事はNouga が読んでためになったと感じた本をご紹介します。
第六冊目はコミュニケーションとは何か、対話とは何かを考えさせられた本です
タイトル: ニッポンには対話がない
著者: 北川達夫、平田オリザ
出版社: 三省堂
きっかけ
たまたま図書館で見かけて手に取った本になります。
著者の北川達夫さんは元外交官でフィンランド日本国大使館での勤務歴があり、フィンランド教材作家・教育アドバイザーとしてご活躍されている方です。
平田オリザさんは、劇作家・演出家で国内外での劇作、演出、公演活動とともにコミュニケーションデザインの教育・研究に携わっておられます。
日本とフィンランドの国語教育、道徳教育、表現教育の違いを軸に論じながら話が展開していきます。
もっとも興味深かったのは、対話はお互いの異なる価値観をすり合わせること、議論は意見の違う相手を納得させること、という対話と議論の違いを明確にし、深堀していることでした。
医師としても非常にためになる内容でしたので、ご紹介します。
自分に刺さった点
第1章 上から目線のもの言い
相手が自分より立場が弱かったり、経験が少なかったりするような場合に、その相手の意見を押さえつけるような発言をしたり、意見を全く聞かなかったりという、コミュニケーション能力の乏しさ -以下略
第1章 脱・経験絶対主義
『同じ経験をしていないので同じ立場からはものを言えないけれど、経験している人と経験していない人とがいっしょに考えたらどうなるか』という視点を根本的に欠いてしまうと経験も知識もない人間は社会でものを言ってはいけないという雰囲気になってしまう。だから、『知識の量や経験がある程度たまるまでは人前で意見はいうべきじゃない』『知識がある人の前で知識がない人が意見を言っちゃいけない』という風土がつくられる。
ニッポンには対話がない 著者: 北川達夫、平田オリザ 出版社: 三省堂より引用
本から得られたこと
世の中には高圧的な医師が存在します。
絶対数は少なくなってきたように感じていますが、未だに遭遇します。
Nouga 自身は、そういう医師を見かけるたびに自分はそうはなるまいと誓っています。
彼らの特徴は何なのかについて、言語化できずにいましたが、この本はそれに一つの答えをくれたように思います。
患者さんと医師の医学的知識には圧倒的な隔たりがあります。
そのため高圧的な医師は、上から目線でものを言い、対話をする努力をしようとしない。
医師であればこういった人物は一人は思い出すことができるでしょうし、患者さんはこのような嫌な思いをされたことがあるかもしれません。
残念ながらこういった医師からは物理的に距離をとるのが一番の対策だと思います。
SNSの発達により今後は自然に淘汰されていくのではないかと考えています。
このようなことは医師ー患者間だけでなく、世の中いたるところに起きているでしょう。
著者らによれば、対話はお互いの価値観が異なることを認め、それらををすり合わせることであり、ものすごく精神的体力を消費する行為であるとのことです。
一人の人間として、忍耐強く対話が行えるようになりたいものです。
自身の戒めにしたいと思います。
今後もできるだけ有用な情報を発信していきます。
継続は力なり を実践していきます。